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紅茶の国イギリスの優雅なティータイム「アフタヌーンティー」
高級店とスーパーマーケットをはしご
紅茶を購入するならリーフティーがおススメ!
イギリスといえば紅茶の本場。スイーツ好きの私は小さい頃から大の紅茶党でもあり、イギリス人並みに紅茶を飲みます。
高級ブランドやフレーバーティーを飲むのは休日の午後やお客様が来たとき。ウエッジウッドやミントンといったイギリスの陶磁器メーカーのカップを使ってちょっと優雅な気持ちで・・・。もちろん毎日こんな優雅な時間はとれませんから、朝や他の時間には、スーパーで買ってきた普及ブランドの紅茶を選び、ミルクをたっぷり入れた濃厚なミルクティーをマグカップで飲みます。
そんな私ですので、イギリスへ行くと自分用、お土産用にたくさんの紅茶を購入します。必ず行くのは、紅茶で有名な高級百貨店「フォートナム&メイソン」と「ハロッズ」のフード・ホールの紅茶売場。コベント・ガーデンにある「ティーハウス」にも一時期だいぶ通いました。好きな銘柄はほぼ決まっていて、アッサムのBOP、ウバ、ダージリン、イングリッシュ・ブレックファストといった定番商品のリーフティーが中心です。ロンドン市内で時間がなくて買えないときも、ヒースロー空港には「フォートナム&メイソン」と「ハロッズ」があるので、飛行機に乗る前にここで購入するようにしています。
普及ブランドを買うときは「ウエイトローズ」、「マークス&スペンサー」、「センズベリー」、「テスコ」といった地元イギリス人が通うスーパーマーケットを必ずチェックします。紅茶の種類や品揃えは店によって違いますが、スーパーは普通のイギリス人がどんな紅茶を飲むのかが一目でわかる面白い場所。私の場合は、以前イギリスに住んでいた頃によく飲んでいたテトリーやPGのティーバッグを懐かしくて手に取ることが多いです。
ヴィクトリア朝時代に始まった午後の紅茶
アフタヌーンティーとクリームティーの違いは?
アフタヌーンティーの歴史は19世紀のヴィクトリア朝時代に遡ります。当時の貴族は2食だったため、朝食と夕食の間があまりに長すぎてお腹がすいてしまうことが多かったようです。ベッドフォード侯爵夫人アンナ・マリアという貴族のマダムが、午後4時頃にパンと紅茶を用意させたのがアフタヌーンティーの始まりと言われています。
現在アフタヌーンティーというと三段のケーキスタンドが有名ですが、実はこれはホテルがアフタヌーンティー用に開発したモノ。ヴィクトリア時代からの定番ではなく、今でもホテルによっては三段のケーキスタンドがないところもあります。とはいえ、サンドイッチ、スコーン、ケーキが盛られた三段のケーキスタンドは、見るだけでも豪華で優雅な気分になれるアフタヌーンティーの醍醐味の一つ。ぜひ経験してきて欲しいです。
気をつけたいのはそのボリュームをあなどらないこと!日本人の場合、ランチ抜きでいくか、軽めにとっておかないと全部は食べられないでしょう。かくいう私ですが、小食ではない胃袋をもっていても、アフタヌーンティーの後は夕食が食べられなくなります。
もしアフタヌーンティーほどのボリュームはいらないという場合は「クリームティー」がおススメです。紅茶とスコーンだけのシンプルなセットメニューですが、時間のあまりないときなどにも便利。気軽なティータイムが楽しめます。イギリスへ行くと「クリームティー」の看板を地方でよく見かけるのですが、地方のごく庶民的なティールームではこの「クリームティー」の方が実は主流なのです。
ここで、スコーンの食べ方をちょっと伝授すると、まず横にナイフで切り目をいれて半分に割り、バターを塗ります。次にストロベリージャムを塗って、それからクロテッド・クリームを塗るのが正式といわれています。最近東京の超高級ホテルのアフタヌーンティーに行った際、ジャムやクロテッド・クリームと一緒にチョコレート・クリームが出てきてビックリ!それがまた美味しくて感動しました。ストロベリージャムでないところもありますし、日本ではだいぶアレンジされてきているようですね。
アフタヌーンティーは高級ホテルのティールームが定番
11月に全面リニューアルする「フォートナム&メイソン」も話題
ロンドンでのアフタヌーンティーの名所といえば、やはり高級ホテルははずせません。「リッツ」、「ブラウンズ」、「クラリッジズ」、「ウォルドルフ」、「サボイ」、「ドーチェスター」など、老舗高級ホテルには午後の時間に必ずアフタヌーンティーがあります。個人的には「ドーチェスター」と「クラリッジズ」が好きですが、土日に行われるティーダンスで有名な「ウォルドルフ」も昔のイギリスが感じられるレトロスポットとしておススメです。
そのほか、「ハロッズ」、「ハービー・ニコルズ」といったイギリスを代表する高級百貨店にもティールームがあり、こちらでも優雅なアフタヌーンティーが楽しめます。
2007年に創業300周年を迎える「フォートナム&メイソン」も、この11月には全面リニューアルを終え、新しく生まれ変わります。すでに紅茶の缶がグリーンからシルバーにモデルチェンジしたほか、他の商品もパッケージデザインが一新。店内も店を閉めることなく大々的な改装が進んでおり、新しくできるワインバーを含め5つのレストランがオープンします。
アフタヌーンティーができるのは、5階のセント・ジェームズ・レストランと変わりませんが、以前中2階にあったお手軽に紅茶とスコーンが楽しめたティールームが、エンタメ性の高いレストランに変わるようです。
さらに、今年は300周年記念商品「タイムレス」(ブラックに時計の針をかたどったモダンなデザイン)も販売予定だそうですので、新しくなった「フォートナム&メイソン」にも期待したいと思います。
ケンジントン・パレスの「オランジュリー」と
チャイナタウンの「パティスリー・バレリー」
ロンドンのお気に入りティースポットは実はいくつもあります。私の場合スイーツ好きでもあるのでケーキが美味しい店には目がなく、素通りできません。
住んでいたときは、ハムステッドにあった「ルイス・パティスリー」とチャイナタウンの「パティスリー・バレリー」の常連でしたし、戸外で食べたいときは、ハムステッド・ヒースという公園内にあるケンウッド・ハウスの「ブリュー・ハウス・レストラン」へよく出かけていました。たいてい選ぶのはスコーンよりもケーキ。紅茶を何杯も飲みながら休日の午後を過ごしていました。
ロンドンの中心地にある公園ケンジントン・パーク内にも「オランジュリー」というレストラン&ティーサロンがあります。ここでぜひ見ていただきたいのが、ディスプレイされているスコーンの山とスイーツ(ケーキ)です。「パティスリー・バレリー」や「ルイス・パティスリー」のケーキは日本のケーキのようにデコラティブ(装飾的?)ですが、「オランジュリー」のケーキは素朴で家庭的な味わいのものが多いのが特徴。
ここは団体ツアーでもよく使われている場所らしく、日本人観光客にはお馴染みの場所だそうですが、個人客ももちろんウエルカム。スタッフも気取りすぎず自然で、くつろげる雰囲気ですので、初めてのイギリスという方にもおススメです。近くには故ダイアナ妃が住んでいたケンジントン・パレスもありますので、見学の前後に利用してもいいですね。
そのほか、大英博物館の「コート・レストラン」、ナショナル・ポートレート・ギャラリーの「ポートレート・レストラン」など、美術館&博物館のレストラン&ティールームも狙い目。お茶するだけでもロンドン観光ができてしまうのが、ロンドンがロンドンたるゆえんです。
(写真提供:英国政府観光庁、フォートナム&メイソン・ジャパン、木谷朋子)
■旅行ライターのコラム
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木谷朋子
PROFILE
旅行ライター。中学時代からのイギリス好き。1983年の初渡英以来、イギリスを含め、ヨーロッパ各地を旅する。大学卒業後、留学雑誌の編集者を経て1989年〜1991年にイギリスへ留学。ロンドンがドラスティックに変貌した90年代には、毎年ホテル、レストラン、ショップを100軒以上取材。イギリスに関する主な著書に『英国で一番美しい風景湖水地方』(小学館)、『ロンドンと田舎町を訪ねるイギリス』(トラベルジャーナル、共著)、『ハッピーロンドン』(双葉社。共著)、『イギリス留学』(三修社)などがある。